1869年の「ソーホース」1ドル紙幣とは?
「1869年のソーホース(sawhorse)1ドル紙幣はいくらになるのか?」――これは古いアメリカ紙幣の査定相談でよく見かける質問です。まず押さえておきたいのは、「ソーホース1ドル紙幣」という名前で語られる紙幣には、実在の流通貨幣ではないとされる説があるという点です。
ソーホースとは、大工さんが木材を切るときに使う脚付きの台のこと。紙幣収集の世界では、1869年に発行された1ドル法定貨幣券(レインボー・ノート)の裏面に描かれた幾何学模様を指して「ソーホース」と呼ぶことがあります。その一方で、この名称の紙幣は1969年公開の映画『ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド』(原題:Butch Cassidy and the Sundance Kid)に登場した架空の紙幣=撮影用の小道具であると説明されることも少なくありません。
つまり、手元の紙幣が「映画のプロップ(複製品)」なのか「本物の歴史的紙幣」なのかで、評価はまったく変わってきます。
本物なら高額!1869年1ドル「レインボー・ノート」の価値
もし手元にあるのが本物の1869年発行1ドル法定貨幣券であれば、それはアメリカ紙幣収集界で最も人気の高いシリーズのひとつです。赤・緑・青などの虹色のインキ(レインボーインキ)を使った華やかなデザインが特徴で、表面には初代大統領ジョージ・ワシントンの肖像が描かれています。
価値の目安は保存状態によって大きく異なり、おおよそ以下のようなイメージです(相場は常に変動します)。
- 摩耗が激しい状態(Good〜VG):数百米ドル規模。日本円で数万円程度になることもあります
- 中程度の美品(VF前後):1,000米ドル前後またはそれ以上
- ほぼ未使用(AU〜UNC):数千米ドルクラスになり、状態次第ではさらに高額も期待できます
重要なのは、摩耗しているからといって無価値にはならないという点です。150年以上前の紙幣のため、流通品で現存すること自体が珍しく、傷んでいても一定のコレクター需要があります。
真贋を見極めるチェックポイント
映画の小道具やレプリカは現在でも多く出回っているため、まずは本物かどうかの確認が最優先です。主なチェックポイントは以下の通りです。
- 用紙の質感:当時の紙幣は亜麻や綿を含む特殊な用紙を使用しており、現代のコピー用紙とは明らかに手触りが異なります
- 印刷の精細さ:凹版印刷によるシャープな線や、微細な彫刻模様の再現度を確認しましょう
- レインボーインキの有無:1869年版の特徴である多色インキが正しく再現されているか
- 署名とシリアル番号:手書き風の財務官署名や、時代に合った番号の書体かどうか
自信がない場合は、PCGS CurrencyやPMG(Paper Money Guaranty)といった第三者鑑定機関への依頼が確実です。鑑定を受ければ真贋だけでなく、グレード(保存状態の等級)も判定してもらえるため、売却時の信頼性が大きく向上します。
まとめ
「1869年のソーホース1ドル紙幣」は、映画『ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド』の小道具だとする説がある一方、本物の1869年1ドル法定貨幣券(レインボー・ノート)の裏面模様を指す呼び名としても知られています。まずは鑑定による真贋の確認が第一歩。本物であれば、摩耗した状態でも十分に価値が期待できる、歴史あるコレクターズアイテムです。