第一次世界大戦におけるアメリカ人死亡の主因
第一次世界大戦(1914年〜1918年)において、アメリカ軍人の死因として最も多かったのは、実は戦闘によるものではなく病気でした。特に肺炎や結核といった呼吸器疾患が多くの命を奪い、次いで事故による死亡が大きな割合を占めていました。
なぜ病気がこれほど致命的だったのか
塹壕(ざんごう)での生活は、泥水への長時間の浸かり、極度の寒さ、不衛生な環境など、感染症が蔓延する絶好の条件を揃えていました。さらに、兵舎や輸送船内での密集した生活環境も、病原体の拡散を一層加速させました。
とりわけ深刻だったのが、1918年に発生した世界的なインフルエンザの大流行、いわゆる「スペインかぜ」です。このパンデミックは前線と後方の双方で猛威をふるい、アメリカ軍の死者のうち数万人規模の犠牲者を出したと考えられています。実際、第一次世界大戦中のアメリカ軍の死者約11万6千人のうち、半数以上が戦闘以外の要因、主に病気によって亡くなったとされています。
戦闘以外にも存在した危険
加えて、砲撃訓練中の事故、輸送船の沈没、兵器や機械の取り扱いミスといった事故も、決して無視できない数の犠牲を生みました。当時の軍隊では安全対策が現在ほど整備されておらず、戦闘以外の要因による死亡が全体の大きな部分を占めていたのです。
このように第一次世界大戦は、目に見える「戦場の敵」だけでなく、病気という「見えない敵」との闘いでもありました。医学や衛生管理の重要性が再認識されたのも、この時代だったといえます。