ウィリアム・グラハム・サムナーの主張
アメリカの社会学者ウィリアム・グラハム・サムナー(William Graham Sumner)は、社会階級が互いに何かを負う(義務を負う)ことはないと信じていました。つまり、ある階級が他の階級に対して特別な責任や義務を負うという考え方を、彼は明確に否定したのです。
各階級がすべきこととは
サムナーによれば、各階級の成員は他の階級の福祉を気にかけるのではなく、自らの幸福と繁栄に集中すべきだとされました。彼は、このような自己責任の原則こそが、社会全体をより効率的で豊かなものへと導くと主張しました。
思想の背景にあるもの
この考え方は、19世紀後半のアメリカで広まっていた社会ダーウィニズムの影響を強く受けています。サムナーは著書『社会階級は互いに何を負うか(What Social Classes Owe to Each Other)』(1883年)の中で、政府による富の再分配や強制的な相互扶助に反対し、自由放任(レッセ・フェール)経済と個人の自助努力を重視する立場を打ち出しました。
まとめ
サムナーにとって、階級間の助け合いや義務といった概念は存在せず、各人が自らの力で成功を目指すことこそが、結果として効率的で繁栄した社会を実現する道であると考えられていたのです。