ワット・タノン・コットとは
ワット・タノン・コットは、ラムタークォーン・ローン川沿いの平野部へと続く高台に位置する寺院です。ラムタークォーン・ローンから北へ約550メートル、約1.3キロメートルの地点にあります。現在も現役の寺院として機能しており、境内は木々に包まれた静寂で心地よい空間となっています。最も重要な歴史的建造物は、本堂(ウボーソット)です。
地理的・地質学的条件
標高は海抜243メートル。付近を流れる水路は、ラムタークォーン川とラムタークォーン・ローン川です。
地質に関しては、ジュラ紀〜白亜紀(約1億3500万〜1億5000万年前)に形成された、プレアヴィヒア岩層(JPkw)に分類される砂岩が分布しています。
歴史と文化的背景
考古学的には歴史時代に属し、ラッタナコーシン王朝(チャクリー王朝)ラーマ5世時代、1899年(仏暦2442年)の遺構として知られています。寺院の沿革によると、ワット・タノン・コットは1899年にユアン族の人々によって創建されたと伝えられ、そのことは礼拝堂の美術様式からも裏付けられています。また、1921年8月25日にはウィスンカームシーマー(正式な戒壇設置の公認)が授けられました。
本堂(ウボーソット)の建築様式
本堂はレンガと漆喰で造られた長方形の戒壇堂で、東を正面とした高い基壇の上に建っています。壁は厚く堅固で、東側に階段が設けられ、出入口は東側の一箇所のみ。長辺(北面・南面)にはそれぞれ3枚の窓が開けられ、枠や扉は木製です。
本堂の周囲には、屋根を支えるためのレンガ・漆喰造りの角柱が計19本(正面4本、背面5本、左右各5本)配置されています。現在、外側の床はセメント張りに改修されています。
上部構造は木造で、切妻屋根には赤い波形瓦が葺かれています。正面の破風には、神鳥ガルーダに乗ったヴィシュヌ神を描いた漆喰細工が施され、左右に2体の天使(テープ)が配され、全体をクルワン文様が取り囲んでいます。背面の破風にも、2体の天使が台座を掲げる姿を表した漆喰細工があり、蔓草文様で装飾されています。
シーマー石と境内の様子
本堂の周囲には8基の砂岩製シーマー石(戒壇境界石)がめぐらされ、球状のルーク・ニミットが地上よりやや高いセメント製の台座の上に置かれています。ルーク・ニミットの一部は地面に埋め込まれ(本堂に近い側に埋設されており)、シーマー石のおよそ半分が地面から突き出す形となっています。
タイ芸術局が登録した古代遺跡の地図との照合では、本堂の西側に登録された建造物は確認されませんでしたが、現地調査の際、新たな鐘楼が建設されていることが判明しています。
歴代住職一覧
- フラックルー・カンパ(1899〜1909年)
- プラ・アジャーン・アウイ(1913〜1923年)
- プラ・アジャーン・シング(1923〜1928年)
- プラ・マハー・トーン(1929〜1931年)
- ルアンプー・チャンパ師(1933〜2480年)
- プラ・アジャーン・ター(1939〜2442年)
- プラ・アジャーン・ルン(1944〜1945年)
- ルアンプー・ポート師(1947〜1955年)
- プラ・マハー・スントン(1956〜1960年)
- プラ・ソーパ住職(1973〜1980年)
- ルアンプー・ポーイ師(1980〜1987年)
- ルアンプー・トーンディー師(1987〜1988年)
- ブーンソーン僧正(1988〜1997年)
- フラックルー・ティパナンダクン(1997年〜現在)