スカラ・ブレイで使われた道具の種類
スカラ・ブレイ(Skara Brae)は、スコットランド北部のオークニー諸島に位置する新石器時代の集落遺跡です。約5,000年前に栄えたこの村の人々は、まだ金属を知らない時代でありながら、身近にある素材を巧みに活用して生活に必要な道具を作り出していました。主な素材は石、骨、角(つの)の3つです。
石製の道具
最も一般的だったのが石製の道具です。代表的なものには以下のようなものがあります。
- 斧(おの):木材の伐採や加工に使用
- 手斧(ちょうな):木の表面を削るのに使用
- ノミ:精密な彫刻や細かい加工に使用
- 削器(スクレイパー):獣皮のなめしなどに使用
- 矢じり:狩猟に使用
これらの道具の材料には、フリント(燧石)、石英岩、砂岩などが主に用いられました。
骨製の道具
動物の骨からも数多くの道具が作られていました。
- 針:縫い物に使用
- 錐(きり):穴あけ作業に使用
- 釣り針:漁労に使用
- 銛(もり):魚や海獣の捕獲に使用
材料となったのは、主にシカ、ウシ、クジラの骨です。海に面した立地を生かし、浜辺に打ち上げられたクジラの骨も貴重な資源として利用されていたと考えられています。
角製の道具
シカやヘラジカの角からは、次のような道具が作られました。
- ハンマー:叩いて加工する作業に使用
- つるはし:掘削作業に使用
- くさび:木材の割りや分割に使用
角は適度な弾力性があるため、衝撃を受ける道具の素材として特に優れていました。
その他の生活用具
スカラ・ブレイの人々は、上記のほかにも土器、籠(かご)、織物なども使用していました。これらは調理、食料の保存、衣類の制作など、日常生活のさまざまな場面で活用されていたのです。
道具から見えるスカラ・ブレイの暮らし
こうした道具類からは、狩猟・漁労・牧畜といった生業の姿だけでなく、高度な手工芸技術を持っていたこともうかがえます。スカラ・ブレイの遺物は、金属器を持たない新石器時代の人々が、限られた自然の資源を最大限に活用しながら豊かな生活を築いていたことを示す、貴重な証拠となっています。