考古学的発見

カンゴ洞窟の名前の由来は?南アフリカ・コイ族の言葉に秘められた「水の場所」

南アフリカ共和国西ケープ州アウトシューヌ(Oudtshoorn)近郊に位置する「カンゴ洞窟(Cango Caves)」は、石灰岩で形成された鍾乳洞群として知られ、同国を代表する観光名所の一つです。洞内には幾重にも連なる鍾乳石や石筍が広がり、その壮大な造形美を目当てに世界中から多くの観光客が訪れています。

洞窟の名前は「カンゴ川」に由来

カンゴ洞窟という名称は、洞窟の近くを流れるカンゴ川(Cango River)にちなんで付けられたものです。つまり、洞窟独自の名前ではなく、周辺地域の地名がそのまま洞窟の名称として定着しました。

さらに遡ると先住民コイ族の言葉へ

では、カンゴ川の名前はどこから来たのでしょうか。実はこの川の名は、かつてこの地域に暮らしていた先住民族のコイ族(Khoi)に由来しています。コイ族は、牧畜民として知られるコイコイ人を中心とする民族で、南アフリカ一帯に古くから居住してきました。

「!ka!kau」が意味するもの

「カンゴ(Cango)」という名前の語源は、コイ語の「!ka!kau」という言葉であるとされています。この言葉の意味は「水の場所(place of water)」。乾燥地帯の多い南アフリカにおいて、水が湧き出る場所は人々の生活の拠点であり、かけがえのない存在でした。水をたたえたこの土地を指す言葉が、やがて川の名前となり、さらには洞窟の名前へと受け継がれていったのです。

まとめ

カンゴ洞窟の名前の由来をたどると、「洞窟 → カンゴ川 → コイ族の言葉『!ka!kau(水の場所)』」という流れになります。悠久の時をかけて形成された自然の芸術と、先住民族の言語文化が織りなす物語。カンゴ洞窟を訪れる際は、その名前に込められた歴史にも思いを馳せてみると、より深い感動が得られるでしょう。