結論:「W」のミントマークが付いた1923年硬貨は存在しません
残念ながら、1923年に鋳造された米国の硬貨に「W」というミントマーク(造幣局マーク)が付いたものは一切存在しません。もし手元の硬貨の右下にそのようなマークが見えるとしても、それは本物のミントマークではなく、傷、汚れ、後から彫られた私的な刻印、あるいは偽造品である可能性が高いといえます。
1923年のダイム(10セント銀貨)はすべてフィラデルフィア製
1923年に発行されたダイム(マーキュリー・ダイム)は、すべてフィラデルフィア造幣局で鋳造されており、ミントマークは刻まれていません。デンバー造幣局やサンフランシスコ造幣局では1923年のダイムは製造されていないため、「D」や「S」のマークが付いた1923年ダイムも存在しません。
1セント硬貨(リンカーン・セント)の場合も同じ
お探しの硬貨が1セント硬貨(ホイート・セント)であっても状況は変わりません。1923年のリンカーン・セントは、フィラデルフィア造幣局(ミントマークなし)とサンフランシスコ造幣局(「S」マーク)でのみ鋳造されました。「W」マーク付きの1セント硬貨は存在せず、マークらしきものがあれば偽物や改造品を疑うべきです。
そもそも「W」ミントマークとは?
「W」はウェストポイント造幣局のマークですが、このマークが米国の流通硬貨に初めて登場したのは1996年のことです(ルーズベルト・ダイム発行50周年を記念した「1996-W」ダイム)。それ以前の1920年代の硬貨に「W」マークが刻まれることはあり得ません。
右下のマークの正体は?
なお、正規のミントマークの位置は、リンカーン・セントでは表面の日付の直下、マーキュリー・ダイムでは裏面の左下です。硬貨の右下にある不自然なマークは、次のようなものの可能性があります。
- 流通過程で付いた傷や打痕
- 誰かが後から彫り込んだイニシャルなどの私的刻印
- 偽造・改造硬貨
価値の目安
本物の1923年リンカーン・セント(フィラデルフィア製)は発行枚数が多く、流通品であれば数十円〜数百円程度、美品でも数千円程度が相場です。一方、希少性の高い1923-Sは状態によっては1万円を超えることもあります。まずは信頼できるコインディーラーや、PCGS・NGCといった鑑定機関に相談してみるのがおすすめです。