歴史上の人物

ドゥームズデイ・ブック(末日審判書)にはどのような詳細が記録されていたのか?

「ドゥームズデイ・ブック(Domesday Book)」は、「大調査(Great Survey)」あるいは「ウィンチェスター・ロールズ(Winchester Rolls)」とも呼ばれる、イングランドおよびウェールズの一部を対象とした土地台帳です。1086年、ウィリアム1世(征服王ウィリアム)の命により編纂されました。

この調査は、王国から派遣された勅命の調査官たちが全国各地を巡り、町や村ごとに詳細な情報を記録していくという、当時としては前例のない大規模な事業でした。記録された主な項目は以下のとおりです。

  • 村の名称と所在地
  • 人口の規模と構成
  • 土地の面積と種類
  • 土地およびその生産物の価値
  • 地主の氏名と詳細情報
  • 教会などの宗教建築物の価値
  • 製粉所、漁場などその他の収入源の価値
  • 森林や公園の有無とその価値
  • 城砦などの要塞の有無と詳細

ドゥームズデイ・ブックの編纂は膨大な労力を要する一大事業であり、11世紀後半のイングランドとウェールズの社会・経済の様子を鮮明に写し取った、極めて貴重な歴史資料となっています。中世国家が全国規模で実施した調査としても類を見ないものであり、現在でも当時の土地制度や税制、村落社会を研究するうえで欠かせない一次史料とされています。