歴史クイズ

独立宣言に挙げられた、植民地人が国王に訴えた不満の一つとは?

独立宣言に記された国王への不満

1776年7月4日に採択されたアメリカ独立宣言には、イギリス国王ジョージ3世に対する数多くの不満(苦情)が列挙されています。その中の一つとして有名なのが、次の文言です。

「彼は、われわれの議会の同意なく、平時においても常備軍をわれわれの間に駐留させ続けてきた」
(He has kept among us, in time of peace, Standing Armies without the Consent of our legislatures)

この不満が意味すること

この条項が問題視したのは、次の二つの点です。

  • 平時における常備軍の維持: 戦争が終わった後も軍隊を解散させず、植民地に駐留させ続けたこと。
  • 議会の同意の欠如: 植民地人自身が選んだ立法府の承認を得ることなく、軍の駐留を強行したこと。

歴史的背景

フレンチ・インディアン戦争(1754年〜1763年)の終結後、イギリス政府は北米植民地に多くの正規軍を駐留させました。1765年の宿営法(クォータリング・アクト)では、植民地人に兵士の宿舎や物資の提供を義務付けたため、住民の反発はさらに強まりました。

当時のイギリス本国では、常備軍は専制政治の象徴とみなされることが多く、自由な市民にとって軍隊は「自由への脅威」そのものでした。したがって、自分たちの同意なしに平時でも軍隊を置かれることは、まさに「専制」の証しと受け止められたのです。

その後への影響

こうした経験は、建国後のアメリカの政治制度にも色濃く反映されました。合衆国憲法では、軍の予算承認権を議会に与え、平時における常備軍の維持に厳しい制約を課すとともに、憲法修正第3条で兵士の民家への無断宿営を禁止しています。独立宣言に列挙された不満は、単なる抗議文ではなく、新しい国家の設計思想の基盤となったのです。