塹壕戦とは何か
塹壕戦(トレンチ・ウォーフェア)とは、塹壕を主体とする占拠済みの戦闘線を用いて行われる陸上戦闘の一形態です。防御側の兵士は、敵の攻撃から身を守り、掩護射撃を行えるよう、強固な防御工事を備えた塹壕の中に深く構えます。
この戦法が特に顕著になったのは第一次世界大戦です。両軍が対峙する塹壕網を、全長約764キロメートル(475マイル)に及ぶ前線沿いに掘り進めた結果、戦線は数年間ほとんど動かない膠着状態(ステイルメイト)に陥りました。
「戦争」という概念との違い
一方で「戦争」とは、政治集団間、典型的には国家や国民の間で行われる武力紛争を指す、より広範な概念です。戦争には、小規模な小競り合いから全面戦争に至るまで多様な形態の戦闘が含まれ、塹壕戦にとらわれない幅広い戦略や戦術が駆使されます。
つまり、塹壕戦は第一次世界大戦期における特定の時代と様式を特徴づける陸上戦闘の一形態にすぎず、戦争全体を代表するものではありません。塹壕戦は「戦争」という大きな枠組みの中の一つの戦闘方式だと理解するとよいでしょう。