「E PLURIBUS UNUM」はエラーではなくアメリカの国是
まず押さえておきたいのは、「E PLURIBUS UNUM(e pluribus unum)」はスペルミスや打刻エラーではなく、アメリカ合衆国の公式モットー(標語)だという点です。ラテン語で「多数から一つへ(Out of many, one)」を意味し、多様な州や人々が一つの国家を形作るという建国の理念を表しています。
この標語は18世紀末からアメリカの硬貨に刻まれており、1962年に鋳造されたほぼすべての米国硬貨にも記されています。また、「e pluribus」という語に「d」という文字は含まれないため、綴りの面でも問題はありません。
「D」の刻印の正体はミントマーク
硬貨に見られる「D」の文字は、誤って刻まれたものではなく、デンバー造幣局(Denver Mint)で鋳造されたことを示すミントマーク(鋳造所マーク)です。1962年にこの標語とともに「D」マークが入っている主な硬貨は以下の通りです。
- フランクリン・ハーフダラー(50セント銀貨)
- ワシントン・クォーター(25セント銀貨)
- ルーズベルト・ダイム(10セント銀貨)
1962年銀貨の価値の目安
1962年に発行されたこれらの硬貨は、いずれも銀90%を含むシルバーコインです。そのため、状態にかかわらず少なくとも地金としての価値(スクラップバリュー)があります。
- フランクリン・ハーフダラー: 概ね10〜20ドル程度。未使用品や高グレード品はさらに高額になります。
- ワシントン・クォーター: 概ね4〜8ドル程度。
- ルーズベルト・ダイム: 概ね2〜4ドル程度。
ただし、実際の査定額は銀価格の変動、硬貨の保存状態(グレード)、市場での需要によって大きく変わります。希少なエラー品やプルーフ仕上げの硬貨であれば、想定以上のプレミアムが付くケースもあります。
正確な価値を知るには
より確実な評価を求めるなら、PCGSやNGCといった専門鑑定機関によるグレーディングを受けるか、信頼できるコインディーラーの査定やオークションの落札実績を参考にするのがおすすめです。手元の硬貨の発行枚数や状態を確認したうえで、複数の情報源を比較すると安心です。