歴史クイズ

1909年のペニー硬貨にVDBのイニシャルが刻まれているのは一部だけ?その理由を解説

結論から言うと、すべての1909年ペニーに「VDB」のイニシャルが刻まれているわけではありません。実際、1909年に発行されたリンカーン・セント(1セント硬貨)には、「VDB」入りと「VDB」なしの2種類が存在します。

VDBとは何を意味するのか?

「VDB」は、リンカーン・セントのデザイナーであるヴィクター・デヴィッド・ブレナー(Victor David Brenner)のイニシャルです。彼はアメリカ合衆国出身の彫刻家で、エイブラハム・リンカーンの肖像をあしらったこの歴史的な硬貨のデザインを手掛けました。

1909年はリンカーン生誕100周年にあたり、それまでのインディアン・ヘッド・ペニーに代わってリンカーン・セントが初めて発行された年でもあります。当初、ブレナーのイニシャルは硬貨の裏面(リバース)、小麦の穂のデザインの下部に目立つ形で刻まれていました。

なぜVDBは削除されたのか?

しかし、このイニシャルがあまりにも大きく目立っていたことに対し、世間から強い批判が殺到しました。「自分の名前を硬貨に残そうとするのは自慢げだ」といった声が上がり、造幣局は圧力に屈する形で、わずかな発行期間でイニシャルの刻印を取りやめることになりました。

その結果、VDB入りの1909年ペニーはごく短期間しか鋳造されず、発行枚数が非常に少なくなりました。翌1910年以降はしばらくの間、イニシャルなしで硬貨が製造されることになります。

1909-S VDBの価値について

特にサンフランシスコ造幣局で鋳造された「1909-S VDB」は、リンカーン・セントの中でも最も希少で人気の高い品種として知られています。状態の良いものはオークションで高額に取引されることもあり、コレクターの間で垂涎の的となっています。

お手元に古い1セント硬貨がある場合は、裏面の小麦の穂の下に小さな「V.D.B.」の文字がないか、ぜひ確認してみてください。もしかすると貴重な一枚かもしれません。