フィリピンの国民的英雄ホセ・リサールは、1877年から1882年にかけてマニラのサント・トマス大学(UST)に在籍し、哲学や文学などを学びました。当時のフィリピンはスペインの植民地であったため、大学での成績評価もスペイン語の等級体系に基づいて行われていました。
当時のUSTで使われていた評価基準
リサールが在籍していた時代のUSTでは、以下のような5段階の評価が用いられていました。
- Sobresaliente(ソブレサリエンテ):優秀
- Notable(ノタブレ):非常に良い
- Bueno(ブエノ):良い
- Aprobado(アプロバード):合格・可
- Suspenso(ススペンソ):不合格
ホセ・リサールの科目別成績一覧
記録に残っているリサールの成績は以下の通りです。
| 科目 | 評価 |
|---|---|
| 哲学 | Sobresaliente(優秀) |
| 道徳神学 | Sobresaliente(優秀) |
| 自然法 | Sobresaliente(優秀) |
| 聖書学 | Sobresaliente(優秀) |
| ラテン語 | Notable(非常に良い) |
| スペイン語 | Notable(非常に良い) |
| ギリシャ語 | Aprobado(可) |
| ヘブライ語 | Aprobado(可) |
| アラビア語 | Suspenso(不合格) |
成績から見えるリサールの姿
この成績表からは、リサールが哲学や神学といった主要分野で最上位の「Sobresaliente」を連発するなど、極めて優秀な学生だったことがわかります。一方で、言語科目については、当時すでに習得していたラテン語やスペイン語は高評価だったものの、ギリシャ語やヘブライ語などの新たに学ぶ言語では標準的な成績にとどまり、アラビア語は不合格となっています。
それでも、複数の外国語に挑戦し続けたことは、後に『ノリ・メ・タンヘレ』などの著作や多方面での活躍につながった、リサールの知的好奇心と言語への才能の片鱗を示すものといえるでしょう。