16世紀(1500年代)のヨーロッパでは、子どもたちはしばしば「brat(ガキ・いたずらっ子)」や「urchin(浮浪児・薄汚い子)」と呼ばれていました。これらの言葉は侮蔑的なニュアンスを伴って使われることが多く、当時の社会における子どもの低い地位を如実に反映していました。
親の所有物として扱われた子どもたち
当時の子どもは、親の所有物であるかのように見なされ、権利や法的な保護はほとんど与えられていませんでした。幼いうちから労働を強いられるのが一般的で、現代から見ると過酷とも言える厳しい躾(しつけ)を受けることも珍しくありませんでした。
「brat」とはどんな子ども?
「brat」は、騒がしかったり、行儀が悪かったり、親や大人の言うことを聞かなかったりする子どもを指す言葉でした。今日でも英語圏では「甘えん坊でわがままな子」という意味で使われることがあります。
「urchin」とはどんな子ども?
一方、「urchin」は、体が汚れていたり、ぼろ着をまとっていたり、家を持たず路上で暮らしていたりする子どもを指しました。もともとはハリネズミを意味する言葉でしたが、次第に浮浪児を表す語へと変化していきました。
貧しい家庭の子どもへの偏見
これらの呼び名は、あらゆる社会階級の子どもに対して使われましたが、とりわけ貧しい家庭の子どもたちに対して多く用いられました。言葉の背景には、当時の社会が子ども——特に貧困層の子ども——に対して抱いていた厳しい現実と偏見が刻まれています。子どもが一人の人間として尊重されるようになるまでには、その後数百年にわたる社会の変革が必要だったのです。