アウグストゥスが食糧問題に対処するために講じた2つの施策
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスは、人口が集中する首都ローマにおける深刻な食糧問題に直面していました。彼はその解決のために、以下の2つの重要な施策を実施しました。
1. ローマ初の公共穀物倉庫の設置
アウグストゥスは、ローマに最初の公共穀物倉庫を設立しました。この倉庫には常に穀物が備蓄され、飢饉や不作など食糧が不足する緊急時には、貧しい市民たちへ穀物が配給されました。これにより、都市部の貧困層を飢えから守り、社会全体の安定を図ることが可能になりました。
2. 穀物供給長官(クラトル・アンノナエ)職の創設
さらにアウグストゥスは、「クラトル・アンノナエ(Curator Annonae)」と呼ばれる官職を新設しました。これは、ローマへの穀物供給全体を監督・管理することを任務とする政府高官です。この長官は、エジプトや北アフリカなど属州からの穀物輸送の確保や市場価格の安定など、ローマの食糧供給システムの中核的な役割を担いました。
これらの施策によって、アウグストゥスはローマ市民の生活基盤を強化しました。その政策は、後に「パンとサーカス」と称されるローマの社会政策の基礎となったと評価されています。