史上唯一の4選を果たした大統領
フランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)は、1933年から1945年までの12年以上にわたりアメリカ合衆国大統領を務め、史上唯一4回当選を果たした人物です。1932年、1936年、1940年、1944年の4度の大統領選挙で勝利し、1945年4月に現職のまま死去するまで国家の頂点に立ち続けました。
4期務められた理由:当時は任期制限が存在しなかった
ルーズベルトが4期にわたって大統領を務められた最大の理由は、当時のアメリカ憲法には大統領の任期回数に関する法的な制限が一切なかったことにあります。初代大統領ジョージ・ワシントン以来、「2期で退任する」という不文律は存在しましたが、それはあくまで慣習であり、法律としての強制力を持つものではありませんでした。
つまり、ルーズベルトは憲法上、何期でも立候補して再選を目指すことが可能だったのです。彼自身、世界恐慌や第二次世界大戦という未曾有の国家危機を乗り越えるためには指導者の継続性が必要だとして、この慣例を破り、3選・4選を実現しました。
死後に発効した憲法修正第22条
ルーズベルトの死去後、一人の人物が長期間にわたって権力を握ることへの警戒感が高まり、連邦議会は大統領に2回を超えて当選することを禁じる憲法修正第22条を可決しました。この修正条項は1951年に各州の批准を経て正式に発効し、以降、いかなる人物もルーズベルトのような長期政権を築くことはできなくなりました。
まとめ
ルーズベルトが4期務められたのは、当時は任期制限を定める法律が存在せず、「2期で退任する」という慣例に従うかどうかは大統領本人の判断に委ねられていたためです。彼の長期政権という前例を受け、その死後に成立した憲法修正第22条によって、現在では大統領の任期は2期までと明確に制限されています。