聖書の中で「戦争や戦争のうわさ」について直接語っている最も有名な箇所が、マタイによる福音書24章6〜8節です。ここは一般に「オリーブ山説教」と呼ばれる部分にあたり、イエス・キリストが弟子たちの問いに答える形で、終わりの時に関するしるしを語られた場面です。
マタイ24章6〜8節のみことば
新共同訳聖書に基づく本文は次の通りです。
「戦争や戦争のうわさを聞くことになるでしょうが、慌てないように気をつけなさい。そのようなことは起こらねばなりませんが、まだ終わりではありません。民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、あちこちで飢饉や地震があります。これはすべて、産みの苦しみの初めのようなものです。」
この箇所の背景
この言葉は、エルサレム神殿の壮大さに感嘆する弟子たちに対し、イエスが「ここには一つの石も他の石の上に残されず、すべて倒される」と予告されたことに続いて語られました(マタイ24章1〜2節)。弟子たちは「いつ起こるのですか」「あなたの来られるときと、この時代の終わりには、どんな徴があるのですか」と尋ね、それに対する答えが24章全体にわたって展開されています。
メッセージの要点
- 戦争や紛争の報せを聞いても恐れてはならない:イエスは「慌てないように気をつけなさい」と繰り返し戒めています。
- これらの出来事は必ず起こるが、すぐに終わりが来るわけではない:歴史上、戦争や災害は絶えず繰り返されてきました。
- 「産みの苦しみ」の比喩:陣痛が本格的な出産の始まりを告げるように、これらの出来事は神の計画が進んでいることの兆しとして捉えられています。
関連する平行箇所
同じ内容は共観福音書であるマルコによる福音書13章7〜8節およびルカによる福音書21章9〜11節にも記されており、三つの福音書を通じて確認することができます。また旧約聖書では、イザヤ書2章4節の「剣を打ち直して鋤とし…もはや戦うことを学ばない」という平和への預言など、戦争に関連する言葉が多数見られます。