「コロッサス」を発明したイギリス人技術者
イギリスの技術者であり暗号解読者でもあったトミー・フラワーズ(Tommy Flowers)が、第二次世界大戦中に「コロッサス(Colossus)」と呼ばれる機械を発明しました。彼はイギリス郵政本局(GPO)の研究所に勤務するエンジニアで、電話交換技術に関する卓越した専門知識を持っていました。
コロッサスの目的とは?
コロッサスが開発された最大の目的は、第二次世界大戦中にドイツ軍が用いていた暗号の解読です。特に、ドイツ軍最高司令部が重要な通信に使用していた「ローレンツ(Lorenz)暗号」の解読作業を自動化するために設計されました。
なお、よく混同されますが、有名な「エニグマ(Enigma)」暗号の解読には主にバンベリー(Bombe)と呼ばれる別の機械が使われており、コロッサスはより複雑なローレンツ暗号の解読を担いました。ブレッチリー・パークの暗号解読センターで運用されたコロッサスは、傍受したドイツ軍の通信文を驚異的な速度で解読しました。
世界初のプログラマブル電子計算機の一つ
コロッサスは、世界で最初期のプログラマブル電子コンピュータの一つとして歴史に名を刻んでいます。約2,400本の真空管を使用したこの巨大な機械は、従来の手作業では数週間かかっていた解読作業をわずか数時間に短縮しました。
1944年に実戦投入されたコロッサスは、ノルマンディー上陸作戦など連合軍の重要な軍事作戦に貴重な情報をもたらしたとされています。しかし、その功績は国家機密として長年隠され、詳細が一般に公開されたのは1970年代に入ってからでした。それでもコロッサスは、現代コンピュータの黎明期を象徴する偉大な発明として、今日でも高く評価されています。