1673年審査法(Test Act)とは
1673年に制定された審査法(テスト・アクト)は、イングランド議会が可決した法律であり、国内のすべての公職者に対し、「化体説」(聖餐式に用いられるパンとワインが実際にイエス・キリストの体と血へと変わるとするカトリックの教義)を否定する宣誓を行い、さらにカトリックの中心的教義である教皇至上主義を放棄することを義務付けるものでした。
この法律は、プロテスタントであるイングランド国教会に対する脅威とみなされていた、イングランド国内におけるカトリック勢力の拡大と影響力の増大に対処するために成立しました。
審査法がもたらした主な影響
審査法は、イングランドの歴史と宗教体制に多大な影響を及ぼしました。その主な結果は以下の通りです。
1. カトリック教徒の公職からの排除
審査法により、政府、軍隊、大学などの公職から、カトリック教徒が事実上排除されることになりました。
2. イングランドのプロテスタント国家としての地位強化
この法律はイングランドのプロテスタント的な性格を一層強め、イングランド国教会の国教としての地位を確固たるものにしました。
3. 王位排除危機の引き金
審査法は、ヨーク公ジェームズ(後の国王ジェームズ2世)の王位継承資格を巡る政治的危機、いわゆる「王位排除危機」の発生の一因となりました。
4. 宗教的差別の先例の確立
審査法はイングランドにおける宗教的差別の先例を築き、その後数世紀にわたって同国の宗教的アイデンティティの形成に深く影響を与え続けました。