歴史クイズ

歴史上、戦争は何回起こったのか?主な資料による推計を徹底解説

戦争の総数を正確に数えるのは難しい

人類の歴史全体を通じて行われてきた戦争の数は非常に膨大であり、「何を戦争と定義するか」という基準によって大きく変わるため、正確な数字を特定することは困難です。それでも、複数の研究機関や書籍が独自の観点から推計を行っており、代表的な資料として以下のものが挙げられます。

1. 戦争関連要因プロジェクト(COW)

ミシガン大学が管理する「Correlates of War(COW)プロジェクト」は、1800年代以降に発生した270件以上の戦争を記録しています。

2. 『戦争百科事典(The Encyclopedia of Wars)』

チャールズ・フィリップスとアラン・アクセルロッドが編集したこの参考図書は、紀元前1457年のメギドの戦いからロシア・ウクライナ戦争まで、1,763件以上の紛争を掲載しています。

3. クロポトキン『国家の歴史的役割』

ピョートル・クロポトキンは著書『国家:その歴史的役割』の中で、1496年から1861年までのヨーロッパでは実に275年近くが戦争の時代であり、平和だった期間は100年に満たなかったと推定しています。

4. ローレンス・キーリー『文明以前の戦争』

著書『War Before Civilization: The Myth of the Peaceful Savage』において、ローレンス・H・キーリーは、後期更新世から完新世にかけてのおよそ1万年から1万5000年にわたり戦争が存在していたと示唆しています。

5. スティーブン・ピンカーの推計

スティーブン・ピンカーの研究『戦争と平和:武力紛争と国際秩序1618-2003』では、紀元前1万4000年から西暦2000年までの間に約1万5000件の戦争が起き、その結果として約10億人の死者が出たと推計されています。

6. 『オックスフォード軍事史事典』

リチャード・ホームズが編集した『The Oxford Companion to Military History』は、古代から現代までの主要な軍事紛争を網羅しており、西暦1000年以降だけでも170件以上の戦争があったと推定しています。

7. ジョン・キーガン『戦争の歴史』

ジョン・キーガンの『History of Warfare』によれば、最初に記録された戦闘(紀元前3000年頃)から2000年までの間に約1万4500件の戦争が発生し、さらに継続期間の長短さまざまな小規模な戦闘行為が15万件ほどあったと指摘されています。

数字が食い違う理由とは

これらの推計には幅があるのは、紛争をどのように定義し分類するかという基準が資料ごとに異なるためです。多数の国が関与する大規模な戦争だけでなく、小規模な衝突や反乱をどこまで含めるかによっても数値は大きく変動します。つまり「歴史上の戦争の総数」はあくまで概算であり、参照する資料によって異なる数字が示されるのが実情です。