アメリカで文字は「発明」されたのか?
「アメリカで文字が発明されたのは何年ですか?」という問いへの答えは、実はシンプルです。アメリカ合衆国において文字が発明されたという記録は存在しません。文字の誕生は、現在のアメリカ合衆国が建国されるはるか前、数千年も昔にさかのぼるためです。
世界最古の文字はメソポタミアで生まれた
人類最古の文字体系は、紀元前3200年頃にメソポタミア(現在のイラク周辺)で誕生した楔形文字(くさびがたもじ)とされています。ほぼ同時期にはエジプトでヒエログリフ(神聖文字)が、その後の紀元前1200年頃には中国で甲骨文字が登場しました。これら古代文明における文字の発明こそが、今日私たちが使うあらゆる文字体系のルーツとなっています。
アメリカ大陸の先住民文明と文字
ヨーロッパからの入植者が到着する以前、アメリカ大陸でも独自の文字文化が花開いていました。
マヤ文明の象形文字
マヤ文明(現在のメキシコ南部〜グアテマラ一帯)では、紀元前3世紀頃までに高度な象形文字体系が確立されました。マヤ文字は石碑・土器・写本などに刻まれ、王の歴史、暦、宗教的出来事が詳細に記録されました。
アステカの絵文字
アステカ帝国(14〜16世紀)は、絵文字を中心とした記録体系を持っていました。「コデックス」と呼ばれる絵巻物には、貢納の記録や歴史、儀式の様子などが描かれています。
北米の先住民族の場合
一方、現在のアメリカ合衆国の地域に暮らしていた多くの先住民族は、文字による記録よりも口承伝承(言葉による歴史の伝達)を重視していました。ただし、岩面彫刻(ペトログリフ)や、貝殻を編んで作る「ウォンパム」のような独自の記録手段が用いられた例も知られています。
まとめ
アメリカ合衆国で文字が発明された特定の年はありません。文字そのものは紀元前3200年頃のメソポタミアで誕生し、アメリカ大陸ではマヤやアステカといった先住民文明が独自の文字文化を発展させてきました。「アメリカで文字が発明された年」という問いは、「人類はいつ文字を発明したのか」「アメリカ大陸で文字文化はどう育ったのか」という広い視点で捉えると、その奥深い歴史が見えてきます。