はじめに
アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)の時代、数多くの人々が奴隷制度に立ち向かい、自由と正義のために闘いました。その中には、自ら奴隷として生まれながら脱出を果たした人物もいれば、白人の改革者や政治家もいました。ここでは、奴隷たちの強力な味方となり、歴史に名を刻んだ代表的な人物たちを紹介します。
ハリエット・タブマン(Harriet Tubman)
自ら奴隷制から脱出した後、「地下鉄道(アンダーグラウンド・レイルロード)」の案内人として19回も南部へ潜入し、300人以上の奴隷を自由へと導いた伝説的な人物です。「黒いモーゼ」と呼ばれ、決して捕まらず、導いた逃亡者の一人をも失わなかったことで知られています。
フレデリック・ダグラス(Frederick Douglass)
奴隷制からの脱出を果たした後、奴隷制度廃止運動において最も有名な演説家・作家・政治家の一人となりました。自伝や新聞を通じて奴隷制の実態を告発し、リンカーン大統領にも助言を行うなど、多大な影響力を発揮しました。
ウィリアム・ロイド・ガリソン(William Lloyd Garrison)
白人の奴隷制度廃止運動を牽引した指導者であり、影響力の大きい反奴隷新聞『ザ・リベレイター(The Liberator)』を発行しました。即時かつ無条件の奴隷解放を訴え続け、廃止運動の火付け役となりました。
ジョン・ブラウン(John Brown)
武力による奴隷解放を信じた白人の急進的廃止論者です。1859年、奴隷反乱を起こそうとしてバージニア州ハーパーズ・フェリーの武器庫を襲撃しましたが、失敗して処刑されました。しかしその行動は、南北戦争へと向かう時代の流れを加速させることになりました。
ソジャーナ・トゥルース(Sojourner Truth)
奴隷制から逃れたアフリカ系アメリカ人女性で、奴隷制度廃止運動と女性の権利運動の両方で活躍した活動家です。有名な演説「私には女性ではないのか?(Ain't I a Woman?)」は、今なお語り継がれています。
チャールズ・サムナー(Charles Sumner)
マサチューセッツ州選出の白人上院議員で、奴隷制に対する最も声の大きい批判者の一人でした。上院議場での痛烈な演説は親奴隷派の議員たちを激怒させ、彼が議場で暴行を受ける事件にまで発展しました。
エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)
第16代アメリカ合衆国大統領。南北戦争で北軍(連邦軍)を勝利に導き、1863年に「奴隷解放宣言」を発布しました。その後の憲法修正第13条の成立により、アメリカにおける奴隷制度に終止符を打ちました。
まとめ
ここで紹介したのは、南北戦争の前、最中、そしてその後にも、自由と正義のために立ち上がり、奴隷制度の終焉を目指した多くの人々のごく一部です。彼らの勇気と献身こそが、アメリカの歴史を変える原動力となったのです。