はじめに
アメリカ中西部には、19世紀から20世紀にかけて特定の産業の中心地として大きく発展した都市が数多くあります。五大湖とミシシッピ川という水運の利点を活かし、それぞれの都市が独自の産業基盤を築いてきました。ここでは、中西部を代表する5つの主要都市について、その歴史と現在の姿をわかりやすくご紹介します。
シカゴ(イリノイ州)
シカゴは、五大湖とミシシッピ川水系をつなぐ交通の要衝に位置していたことから、アメリカ最大級の交通ハブへと発展しました。
- 19世紀後半、産業・商業・金融の中心地として急速な成長を遂げる
- 現在はニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐアメリカ第3の大都市
- ビジネス、文化、教育における世界的な中心地として知られる
デトロイト(ミシガン州)
デトロイトは「モータータウン」の愛称でも知られ、20世紀初頭に自動車産業の中核都市となりました。
- ゼネラルモーターズ(GM)、フォード・モーター・カンパニー、クライスラーといった自動車大手の本社が集中
- 20世紀後半、自動車産業が国内の他地域へ移転したことに伴い経済が低迷
- それでも今なお、アメリカ有数の製造業拠点としての地位を保っている
クリーブランド(オハイオ州)
クリーブランドは、エリー湖に面した立地を活かし、19世紀後半に鉄鋼業の一大中心地として栄えました。
- 鉄鉱石と石炭の輸送の要衝として、数多くの鉄鋼メーカーが集積
- 20世紀後半、鉄鋼業の構造変化により経済が低迷
- 医療やハイテク産業など新たな分野への転換が進む製造業の拠点
セントルイス(ミズーリ州)
セントルイスは、ミシシッピ川沿いの立地を活かし、19世紀後半に醸造業の中心地として発展しました。
- バドワイザーで有名なアンハイザー・ブッシュの本社所在地
- 20世紀後半、醸造業の再編に伴い経済が低迷
- 航空宇宙など多様な製造業が根付く都市として今日も存続
ミネアポリス(ミネソタ州)
ミネアポリスは、セントアンソニーの滝の水力を利用した製粉業により、19世紀後半に世界有数の「粉の都」として繁栄しました。
- 食品大手ゼネラルミルズの本社所在地
- 小麦の集散地として製粉産業が大きく発展
- 現在は金融、医療、小売などへ産業を多角化し、中西部有数の経済都市へ成長
まとめ
中西部のこれらの都市は、交通の便や天然資源を活かした特色ある産業によって発展してきました。産業構造の変化による苦境の時期も経験しましたが、各都市は新たな産業分野への転換を図りながら、今もなおアメリカ経済において重要な役割を担い続けています。