ウェールズの国章(ナショナル・エンブレム)として最もよく知られているのは、赤い竜です。ウェールズ語では「イ・ドライグ・ゴッホ(Y Ddraig Goch)」と呼ばれ、現在ではウェールズ国旗にも描かれ、この地域を象徴する存在となっています。
赤い竜の起源
赤い竜のルーツは、ブリテン島に暮らしていた初期のケルト系部族にまでさかのぼると考えられています。彼らにとって竜は、力と強さを表す象徴であり、戦いの場でも重要な意味を持っていました。
アーサー王伝説との深い関わり
赤い竜は、中世ヨーロッパで広く語り継がれたアーサー王伝説とも密接に結びついています。伝説によれば、赤い竜はアーサー王の軍旗(スタンダード)として用いられていたとされ、王の権威と勝利を象徴する印でした。
また、ウェールズの古い物語集『マビノギオン』には、地下で対峙する赤い竜と白い竜の戦いが描かれており、赤い竜が勝利することでウェールズの人々の勝利を予言するという逸話も有名です。この物語は、赤い竜がウェールズ人の誇りと希望の象徴であることを示しています。
現代における赤い竜
今日、赤い竜はウェールズの公式なシンボルとして確立されています。1959年には赤い竜が描かれた旗がウェールズの公式国旗として認められました。
現在では、ラグビーやサッカーなどの国際的なスポーツイベント、さらには文化行事や祝祭の場においても頻繁に使用されており、ウェールズのアイデンティティを世界に発信する大切なマークとなっています。