アメリカ合衆国におけるインディアン問題局(Bureau of Indian Affairs、OIA)の設立と、1887年のドーズ法(Dawes General Allotment Act)の施行は、アメリカ西部に暮らす先住民コミュニティに計り知れない影響を与えました。本記事では、これら二つの政策が先住民にもたらした具体的な影響について詳しく解説します。
1. インディアン問題局(OIA)の役割
設立の背景と目的
インディアン問題局は1824年、当時の陸軍省傘下に設立され、先住民族諸部族との関係管理および連邦政府のインディアン政策の実施を担う機関となりました。後に内務省へ移管されましたが、設立当初は軍事的色彩の強い組織でした。
強制移住の実施
OIAは、東部に住む先住民部族を伝統的な土地から追い立て、西部の指定地域である「インディアン準州」(現在のオクラホマ州)へ強制移住させる政策の中核を担いました。この過程で多くの部族が故郷を失い、移住の途上で命を落とす者も少なくありませんでした。
条約交渉と同化政策
OIAは部族との条約交渉や食料・物資の配給を担当する一方、「文明化」という名目のもと、先住民をヨーロッパ系アメリカ人社会へ同化させる政策を推進しました。しかしその実態は、先住民の文化、言語、伝統を軽視し抑圧するものであり、多くの部族に深い傷を残しました。
2. ドーズ法(ドーズ土地割当法)の影響
私有地制度の導入
1887年に成立したドーズ法は、部族が共有していた保留地(リザベーション)を解体し、個々の先住民家庭に区画を割り当てることを目的とした連邦法でした。その背景には、「私有財産の所有こそが自給自足の精神を育む」という考え方がありました。
広大な土地の喪失
ドーズ法の下では、先住民の保留地が測量され、部族の土地は個人単位に分割されました。そして個人の割当分として残らなかった余剰地は「余剰土地」と宣言され、非先住民の入植者たちに売却されることになりました。その結果、先住民は数百万エーカーもの土地を失うこととなりました。
部族社会への打撃
多くの先住民は、従来の生活様式、土地利用の慣習、文化的な営みを破壊するものとして、この割当制度に強く抵抗しました。しかし政策は強行され、部族共同体の崩壊が加速していきました。
3. 二つの政策がもたらした総合的な影響
インディアン問題局とドーズ法の組み合わせは、西部の先住民にとって深刻かつ永続的な結果をもたらしました。部族経済と文化の破壊、広大な土地の喪失、そして先住民コミュニティの社会的周縁化が進んだのです。
これらの政策の影響は今日でも多くの先住民に受け継がれており、彼らの社会経済的状況を形作ると同時に、失われた文化的アイデンティティを復活させ、次世代へ保存しようとする取り組みの原動力にもなっています。