立地と周辺環境
ワット・ナコーン・パ・マックは、現在も僧侶の活動が続けられている現役の寺院です。チャイヤプルーク通りに面し、ワット・カイティア運河の南岸に位置しています。バンコク・ノイ運河から西へ約200メートル、チャクプラ運河から北へ約450メートルの場所にあります。
寺院は低地に建てられているため、土砂の堆積による洪水が起こりやすい土地です。現在、周辺一帯は都市化が進んだ密集した市街地となっています。
水系
寺院の近くには、ワット・カイティア運河、バンコク・ノイ運河、そしてチャオプラヤー川という水路が流れています。
地質条件
この地はバンコク平野に属し、第四紀の堆積作用によって形成された沖積平野です。
考古学的な時代と文化
歴史時代に属し、ラッタナーコーシン期(バンコク朝)およびアユタヤ期に関連する文化財が残されています。
遺跡の種類
宗教施設(仏教寺院)。
寺院の概要と歴史
ワット・ナコーン・パ・マックは、マハーニカーヤ派に属する王立寺院です。タイ仏教庁の資料によれば、1857年に創建され、2007年3月19日に最新のウィスンカームシーマー(正式な戒壇の設置を認める境界指定)を受けています。
一方、宗教庁の資料(1983年:119ページ)によると、創建の正確な時期を示す記録は残っておらず、かつて地元の人々からは「ワット・ナーイ」と呼ばれていました。1887年にウィスンカームシーマーを授与された記録があることから、1857年頃の創建と推定されています。
歴代住職
確認できる範囲では、以下の住職が務めてきました(サラン・トンパン、2006年?:107ページ)。
- ルアンプー・トゥアム
- プラ・アーチャン・ナッコー(1928年~1969年)
- プラクルー・プラチョート・タンマラート(プラチョーティー・テッチャンモー)
境内の主な見どころ
本堂(ウボソット)
本堂は東を向いてチャイヤプルーク通りに面しており、1977年に建てられました。破風には、カノック(タイ伝統文様)の装飾の中に、降魔成道の姿の仏陀像が漆喰細工で表現されています。
美術史家のプラユーン・ウルチャーター氏(1971年:262ページ)は、旧本堂がアユタヤ期の古い様式を持っていたものの、すでに修復が施されていると指摘しています。
堂内には、瞑想の姿をとった砂岩製の仏像が安置されています。顔の大きさは4キュビット(約2メートル)あり、アユタヤ前期から中期の作と考えられています(プラユーン・ウルチャーター、1971年:262ページ)。
また、本尊の左右に安置された小さな仏像群もアユタヤ期のものとみられ、その顔立ちにロッブリー美術の特徴が見られることから、アユタヤ初期にまで遡る可能性があるとされます。
2004年から2005年にかけて、本堂周辺の地面が整備され、それに合わせてガラス壁や外側のアーチも高く改修されました。
堂内の壁画は現代の職人によるもので、側面の壁には仏陀の生涯が、正面の壁には2004年に制作された一年十二か月の伝統行事の図が描かれています。
礼拝堂(講堂)
幅11メートル、長さ30メートルの建物で、上層階は木造、1階はコンクリート造りです。看板には「パーリヤッタタンマラート学校」と掲げられていますが、現在はマッサージやハーブ蒸しの施術スペースとして活用されており、タイ式マッサージの講座も開催されています。
百年サラー(ルアンプー・トゥアム・ルアンプー・ナック記念堂)
本堂の北側に位置する建物で、内部には歴代住職であるルアンプー・トゥアムとルアンプー・ナックの肖像画2点が安置されています。
出典:ソムサック・ケーオヌット