マシュー・ヘンソン(Matthew Henson)が探検家という道を選んだ原点は、少年時代に読んだ数々の探検記にあります。
とりわけ彼の心を捉えたのが、北極圏の探検家イライシャ・ケイン(Elisha Kane)による冒険譚でした。ケインの著作は、北方の先住民たちとの暮らしや北極地方の厳しい自然について生き生きと描かれており、若いヘンソンに極地への憧れを抱かせました。
さらに、フランクリン探検隊(1845年〜1848年)の捜索のために派遣された英国探検隊など、さまざまな極地探検に関する書籍も、彼の想像力をかき立てました。こうした物語や記録に満ちた読書体験こそが、後に北極点到達へ挑む探検家としての人生を歩む大きなきっかけとなったのです。