考古学的発見

ツタンカーメンの黄金のマスクはどれくらいの時間をかけて作られたのか?

古代エジプトの象徴ともいえる「ツタンカーメンの黄金のマスク」。その精巧な造形を目にしたことのある人も多いでしょう。では、この傑作はどのくらいの時間をかけて作られたのでしょうか。正確な記録は残っていませんが、専門家の見解と歴史的背景をもとに、その制作過程と発見までの物語を紐解いてみましょう。

マスクが作られたのは今から約3300年前

ツタンカーメンの黄金のマスクは、紀元前14世紀頃(およそ紀元前1323年)、若くして亡くなったファラオ・ツタンカーメン王の埋葬のために作られました。純金の板を打ち延ばして成形し、ラピスラズリ、石英、黒曜石、色ガラスなどで目や眉を細かく表現した、高さ約54cm、重さ約10kgに及ぶ傑作です。

制作には数か月から1年以上かかったと推定される

当時の職人がどのくらいの期間をかけてこのマスクを作り上げたのか、明確な記録は残っていません。しかし、金板を叩いて成形し、表面を研磨し、彫刻を施し、さらに宝石やガラスを精密にはめ込むという高度な工程を考えると、熟練した職人チームでも数か月から1年以上の歳月が必要だったと考えられています。

また、マスクの顔立ちが他のツタンカーメンの像と異なることから、「別の王族のために作られたものを転用したのではないか」という学説も存在します。真相は謎のままですが、それだけにロマンを感じさせる逸品です。

発見されたのは1922年11月

一方、このマスクが現代に再び姿を現したのは、イギリスの考古学者ハワード・カーターによる発見がきっかけです。1922年11月、エジプト・ルクソールの「王家の谷」でツタンカーメン王の墓の入口が見つかり、その後の調査で墓室から黄金のマスクをかぶせた王のミイラが確認されました。

なお、墓の発掘と膨大な遺物の整理・記録作業には、その後およそ10年の歳月が費やされました。つまり「発見」の側にも、実は非常に長い時間がかかっているのです。

まとめ

ツタンカーメンの黄金のマスクは、約3300年前に古代エジプトの職人たちの手によって、おそらく数か月以上の時間をかけて作り上げられた傑作です。そして1922年11月、ハワード・カーターによって王家の谷で発見されました。制作にも発見にも長い時間と情熱が注がれた、まさに歴史の宝物といえるでしょう。