エジプトのギザの大ピラミッドはあまりにも有名ですが、実はピラミッドを建てた文明はエジプトだけではありません。世界各地の古代文明も、独自の目的と様式でピラミッドやそれに類する巨大な建造物を築いてきました。ここでは、その代表的な例を5つご紹介します。
1. メソアメリカのピラミッド
マヤ、アステカ、トルテカといった古代メソアメリカの文明は、数多くのピラミッドを建設しました。これらのピラミッドは神殿や王の墓、さらには天文観測の場としても使われていました。
代表的なものとしては、世界最大級の規模を誇るチョルーラの大ピラミッド、テオティワカンの太陽のピラミッド、そしてチチェン・イッツァのククルカン(羽の生えた蛇の神)のピラミッドが挙げられます。
2. スーダンのピラミッド
現在のスーダンに栄えた古代ヌビアの王国「クシュ王国」も、多くのピラミッドを造りました。エジプトのものよりも小型で急勾配なのが特徴で、主に歴代の王や女王の墓として建てられました。
特に有名なのが、クシュ王国の首都だったメロエに点在するピラミッド群です。スーダンにはエジプトより多い約200基以上のピラミッドが現存しているともいわれています。
3. 中国のピラミッド
中国にも「墳丘(ふんきゅう)」や「塚(つか)」と呼ばれるピラミッド状の巨大な盛り土構造物が存在します。これらは古代から続く伝統的な墓制で、皇帝や権力者たちの陵墓として築かれました。
中でも著名なのが、秦の始皇帝の陵墓です。その周辺から発掘された「兵馬俑(へいばよう)」は世界的に知られています。また、西安近郊には漢代や唐代の皇帝陵が数多く残っています。
4. ペルーのピラミッド
古代ペルーのモチェ文明は、「ワカ」と呼ばれるピラミッド型の建造物を数多く建設しました。ワカは宗教儀式や天文観測、あるいは墓として利用されていたと考えられています。
モチェ渓谷にある「太陽のワカ」と「月のワカ」は、ペルーのピラミッドを代表する二大遺跡です。
5. カナリア諸島のピラミッド
北西アフリカ沖に浮かぶカナリア諸島(スペイン領)のテネリフェ島には、「グイマーのピラミッド」と呼ばれる階段状の石積み構造物があります。これらは先住民グアンチュ族によって築かれたとされ、天文観測や農地の区画、領域の目印として使われた可能性が指摘されています。
まとめ
このように、ピラミッドの建築はエジプトに限らず、中南米、アフリカ、アジアなど、世界のさまざまな地域の古代文明で独立に行われてきました。それぞれのピラミッドには、その土地の文化や信仰、目的に応じた独自の特徴があります。エジプトのピラミッドが最も有名であることは間違いありませんが、世界にはまだまだ魅力的なピラミッド遺産が眠っているのです。