アヌビスとはどんな神?
アヌビスは、古代エジプト神話において死後の世界とミイラ製作を司る神として知られています。ジャッカル(または犬)の頭部を持つ姿で描かれることが多く、死者の魂を冥界へ導き、ミイラを作る際の守護神として崇拝されてきました。
現存するアヌビス専用の神殿は一つだけ
アヌビスはエジプト全土で広く信仰されていた神ですが、興味深いことに、現在まで現存しているアヌビス専用の神殿はわずか一つしか確認されていません。
その理由としては、アヌビスが単独で祀られるよりも、オシリスやホルスなど他の主要な神々とともに神域の中で祀られることが多かった点が挙げられます。そのため、アヌビスだけを主祭神とした独立した神殿の数は限られていたのです。
サッカラの「アヌビス神殿」
現存する唯一のアヌビス神殿は、エジプトのサッカラ(Saqqara)に位置しています。この神殿は一般に「アヌビス神殿」と呼ばれています。
サッカラは首都カイロの南に広がる古代エジプト最大級の墓地遺跡であり、最古のピラミッドとされる「ジェセル王の階段ピラミッド」でも有名な場所です。死者を見守るアヌビスの神殿が、こうした墓地地域に建てられたことは、彼の役割と深く結びついていたことを物語っています。
アヌビス信仰の中心地
参考までに、古代においてアヌビス信仰の中心地とされたのは、上エジプトのキノポリス(Cynopolis)周辺でした。この地域ではアヌビスへの献身が特に強く、聖なる犬が丁重に葬られた記録も残っています。
まとめ
アヌビスは古代エジプト全土で敬われていた神ですが、現存する専用の神殿はサッカラにある一つのみです。エジプト観光の際には、ギザのピラミッドとあわせてサッカラ遺跡を訪れ、死と再生を守護した神の足跡に触れてみてはいかがでしょうか。