サンチー仏塔の主な石材は砂岩
インド・マディヤ・プラデーシュ州のサンチーにあるサンチー仏塔(ストゥーパ)は、一枚岩の丘陵を削って造られた歴史的建造物です。この丘陵地帯は主に砂岩で構成されており、仏塔の建設においても砂岩が主要な建材として使用されました。
砂岩が選ばれた理由
砂岩はこの地域で広く分布しており、入手が容易だったことが大きな要因です。さらに、比較的柔らかく加工性に優れているため、精密な彫刻や装飾施しやすかった点も、大量に使用された理由といえます。仏教美術の傑作として知られるサンチーの門(トーラナ)やレリーフも、砂岩の特性を生かしたものです。
石が黒ずむのはなぜ?鉄分の酸化が関係
一方で、サンチーの砂岩には鉄分が含まれています。鉄分は、特に湿気にさらされる環境下で、時間の経過とともに酸化反応を起こします。これにより石の色が徐々に濃くなり、黒ずんだように見えるのです。
そのため、現在のサンチー仏塔を観察すると、部分によって色の濃淡が異なっていることがわかります。これは劣化ではなく、砂岩に含まれる鉄分が自然に酸化した結果であり、千年以上の歴史が生み出した独特の風合いといえます。