考古学的発見

アジャンタ洞窟は何の石でできている?デカン玄武岩の秘密を解説

アジャンタ洞窟を形作る岩石とは?

インド・マハーラーシュトラ州に位置するアジャンタ洞窟は、岩盤を直接削り出して造られた仏教石窟寺院群です。この洞窟群の大部分は、約6000万年前の火山活動によって形成されたデカン玄武岩と呼ばれる火山岩から切り出されています。

デカン玄武岩とは何か

デカン玄武岩は、白亜紀末期から古第三紀にかけてインド亜大陸で起こった大規模な火山活動(デカントラップ)によって噴出した溶岩が、冷やされて固まったものです。「約6000万年前」という年代は、この激しい火山活動の時期とよく一致しています。

なぜ玄武岩が洞窟開削に適していたのか

玄武岩は比較的均質で、適度な硬さを持つため、彫刻や掘削作業に向いた岩石です。古代の職人たちは、馬蹄形に湾曲したワゴラー川渓谷の断崖を利用し、ハンマーとノミだけを使って30以上の洞窟を造り上げました。堅牢な玄武岩のおかげで、壁画や仏像といった繊細な芸術作品も長い歳月を経て今日まで保存されています。

アジャンタ洞窟の概要

アジャンタ洞窟は紀元前2世紀頃から西暦6世紀頃にかけて、二つの期間に分けて造営されたと考えられています。洞内には初期仏教美術の傑作である壁画や仏像が数多く残されており、その芸術的価値の高さから1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。