
アインハルト(Einhard、770年頃 - 840年)は、フランク王国のカール大帝に仕えた廷臣・歴史家です。彼が著した『カール大帝伝』は、大帝その人とフランク王の宮廷生活を伝える同時代史料として、今日でも最も貴重な文献の一つとされています。
カール大帝の信任を得た側近
アインハルトは文人であると同時に建築家でもあり、王の親密な顧問として宮廷に迎え入れられました。マインガウ地方の出身で、フルダ修道院で学んだ後、カール大帝の宮廷に招かれ、優れた学識と実務能力によって深い信頼を得るようになりました。アーヘンの宮廷建築にも関与したとされ、建築の分野でも才能を発揮しています。
『カール大帝伝』という貴重な記録
彼の代表作『カール大帝伝』は、古代ローマの歴史家スエトニウスの『皇帝伝』を範としたラテン語の伝記です。大帝の容貌や性格、私生活から戦功や政治に至るまでを生き生きと描いており、後世の歴史家にとって欠かすことのできない第一級の史料となっています。
カロリング朝ルネサンスを代表する人物
アインハルトは、カール大帝の長い治世がもたらした文化的復興、いわゆる「カロリング朝ルネサンス」を代表する典型的人物の一人です。古典古代の学問を継承しながら新たな文化を育むこの動きの中で、彼は学者・建築家・政治家として多方面で活躍し、中世ヨーロッパの知的基盤の形成に大きく貢献しました。