憲法の制定者たちを評価したのは、実はトクヴィル
合衆国憲法の制定者たちを特徴づけた人物は、歴史学者ジョン・P・ロッシュではなく、19世紀フランスの政治思想家アレクシス・ド・トクヴィルです。『アメリカのデモクラシー』などの著作で知られるトクヴィルは、アメリカの政治制度を深く分析したことで有名です。
「卓越した人々」への賛辞
トクヴィルは憲法の制定者たちを「卓越した人々(remarkable men)」と評しました。その上で、彼らが「自由と秩序の原則を見事に組み合わせ、強固でありながら自由な政府を築き上げた」と称賛しています。
この評価は、単なる権力の集中でも、無秩序な自由でもない、両者のバランスを実現した憲法の設計思想への敬意を表すものです。
高く評価された二つの資質
さらにトクヴィルは、制定者たちが持っていた以下の資質を高く評価しました。
- 人間心理に対する深い洞察力 — 人間の本質や欲望を理解した上で制度を設計する能力
- 未来を見通す先見性 — 将来の課題を予見し、それに耐えうる仕組みを作り上げた能力
これらの資質こそが、200年以上の時を経てもなお機能し続ける柔軟で強靭な憲法体制を可能にしたのだ、とトクヴィルは見抜いていたのです。