1935年にアメリカで発行されたリンカーン・ホイート・ペニー(通称:小麦ペニー)は、流通品であれば額面価格とほぼ同じ0.05ドル(5セント)前後の価値しかありません。しかし、発行された造幣局の違いや保存状態によっては、コレクターズアイテムとして追加の価値が付くこともあります。
ここからは、1935年小麦ペニーの価値を大きく左右する2つの要素、「種類(ミントマーク)」と「状態(グレード)」について詳しく解説します。
価値を左右する要素①:種類(ミントマーク)
1935年の小麦ペニーは、発行された造幣局によって3つのタイプに分けられます。表面の年号近くにある小さな刻印(ミントマーク)の有無で判別できます。
- フィラデルフィア造幣局(ミントマークなし):最も多く発行された一般的なタイプです。刻印がありません。
- デンバー造幣局(D):「D」の刻印があるタイプです。
- サンフランシスコ造幣局(S):「S」の刻印があるタイプです。発行枚数が比較的少なく、わずかに高い価値が付くことがあります。
なお、ネット上では「1935年のスチール製ペニーは希少で高価値」という誤った情報が見られることがありますが、鋼鉄製の1セント硬貨が製造されたのは、第二次世界大戦中の銅不足により銅の代わりに鋼鉄が使われた1943年のみです。1935年の小麦ペニーはすべて銅(ブロンズ)製であるため、取引の際は注意しましょう。
価値を左右する要素②:状態(グレード)
コインの価値を決めるもう一つの重要な要素が保存状態です。傷や摩耗が少なく、発行当時の輝き(ミントラスター)が残っているほど高く評価されます。アメリカのコイン業界では、1(最低)から70(完璧)までの数値で状態を評価する「シェルダンスケール」が広く使われています。
未使用品(UNC:Uncirculated)
一度も流通していない状態のコインです。細部までシャープで摩耗がまったくなく、発行時の光沢が保たれています。1935年小麦ペニーの中で最も価値が高くなるグレードです。
極美品(XF:Extremely Fine)
ごくわずかな摩耗はあるものの、細部のディテールがシャープに残り、元の光沢も大部分が残っている状態です。こちらも高い評価を受けます。
美品(F:Fine)
中程度の摩耗があり、一部の細部や光沢が失われている状態です。まだ十分にコレクション価値がありますが、未使用品や極美品ほどの価値はありません。
良品(G:Good)
摩耗が進んでおり、細部の多くがすり減って滑らかになり、光沢がほとんど残っていない状態です。収集対象にはなりますが、上位グレードのコインより価値は低くなります。
1935年小麦ペニーの相場まとめ
総じて言えば、未使用状態の1935年小麦ペニーは0.10ドル〜1ドル以上で取引されることがあり、その価値は種類と状態によって変動します。流通していた普通の1935年小麦ペニーは概ね額面価格程度ですが、保存状態の良いものはやや高めの価格で売れることもあります。
手元に1935年の小麦ペニーがある場合は、まずミントマークの有無と位置を確認し、可能であれば専門の鑑定機関や信頼できるコインショップで状態を評価してもらうことをおすすめします。