はじめに
1930年代のアメリカは、世界大恐慌による経済的混乱の時代でしたが、同時に国勢調査などの記録が整備され、当時の人々の家族構成や生活を知る貴重な資料が数多く残されています。
本記事では、歴史的な国勢調査データや文化的な記録をもとに、1930年代のアメリカ合衆国で特によく見られた苗字(ラストネーム)トップ20をご紹介します。あわせて、それぞれの苗字の語源や由来についても簡単に解説します。
1930年代のアメリカで多かった苗字トップ20
1〜10位
- Smith(スミス) — 古英語で「鍛冶屋」を意味する、英語圏で最も一般的な職業姓の一つです。
- Jones(ジョーンズ) — ウェールズ系の苗字で、「John(ジョン)の息子」を意味します。
- Williams(ウィリアムズ) — 中世ヨーロッパで絶大な人気を誇った名前「William」に由来します。
- Johnson(ジョンソン) — 「Johnの息子」を意味する典型的な父称姓で、移民の間でも広く普及しました。
- Anderson(アンダーソン) — 「Andrewの息子」を意味し、スコットランド系や北欧系移民に多く見られます。
- Miller(ミラー) — 「製粉業者」を意味する職業姓です。
- Taylor(テイラー) — 「仕立て屋・裁縫師」を表す職業姓で、中世から定着していました。
- Martin(マーティン) — ラテン語の「Martinus(火星の神マルスに関連する名)」に由来します。
- Harris(ハリス) — 「Harry(ヘンリーの愛称)の息子」を意味する父称姓です。
- Clark(クラーク) — 中世に聖職者や書記を指した言葉に由来します。
11〜20位
- Thompson(トンプソン) — 「Thomasの息子」を意味する父称姓です。
- Baker(ベイカー) — 「パン職人」を意味する職業姓で、生活に密着した仕事ゆえに広まりました。
- Lewis(ルイス) — 中世フランス語の「Louis」に由来するとされます。
- Robinson(ロビンソン) — 「Robin(Robertの愛称)の息子」を意味します。
- Green(グリーン) — 村や草原の近くに住んでいた人を指す地名・景観姓です。
- White(ホワイト) — 白い肌や明るい髪色を持つ人を表す形容姓です。
- Walker(ウォーカー) — 元々は布を縮ませて仕上げる職人のことを指しました。
- Hall(ホール) — 大広間(hall)に住む人、あるいは邸宅の使用人に由来します。
- Evans(エヴァンス) — ウェールズ系の苗字で、「Evan(=John)の息子」を意味します。
- Hill(ヒル) — 丘の近くに住んでいた人を示す地名姓です。
これらの苗字に共通する特徴
1930年代のアメリカで多かった苗字には、大きく分けて次のような特徴があります。
- 職業に由来する姓: Smith、Miller、Taylor、Baker、Walkerなど、中世ヨーロッパで仕事内容から名乗られていた姓が多く含まれます。
- 父称に由来する姓: Johnson、Anderson、Thompson、Robinsonなど、「〜の息子」という形で生まれた姓です。
- 地名・外見に由来する姓: Green、White、Hillなど、住環境や身体的特徴から名付けられた姓も見られます。
また、JonesやEvansといったウェールズ系の苗字が上位に入っている点は、19世紀から20世紀初頭にかけての大規模な移民の流れを反映しています。イギリス諸島からの移民とその子孫が人口の大きな割合を占めていたことが、この時代の苗字ランキングにも表れています。
まとめ
1930年代のアメリカで人気のあった苗字は、そのほとんどがイギリス起源であり、職業・父称・地名といったシンプルな由来を持つものが中心でした。こうした苗字は現代のアメリカにおいても依然として最も一般的な姓であり続けており、約100年前の社会構成が今にも色濃く残っていることがわかります。