はじめに:暦にはどんな種類がある?
世界にはさまざまな暦(カレンダー)が存在し、大きく「太陽暦」「太陰暦」「太陰太陽暦」の3つに分類されます。それぞれ基準となる天体の運行が異なるため、1年の長さや季節との関係にも特徴があります。ここでは、世界的に知られている代表的な暦を種類別にご紹介します。
太陽暦:太陽の運行に基づく暦
グレゴリオ暦
グレゴリオ暦は、現在世界中で最も広く使用されている暦です。地球が太陽の周りを公転する周期に基づく太陽暦であり、1年は通常365日です。しかし実際の公転周期は約365.2422日であるため、4年に一度「うるう日」(2月29日)を設けてずれを調整しています。さらに、100で割り切れる年は原則として平年とし、400で割り切れる年のみうるう年とするという精密なルールを採用している点が大きな特徴です。
ユリウス暦
ユリウス暦は、グレゴリオ暦の前身にあたる暦で、紀元前46年にユリウス・カエサルによって導入されました。16世紀頃までヨーロッパの大部分で使用されていました。ユリウス暦も太陽暦の一種ですが、4年ごとに例外なくうるう日を設けていたため、実際の季節とのずれが長い年月の中で少しずつ蓄積しました。このずれを修正するために考案されたのが現在のグレゴリオ暦です。
中国暦(旧暦)
中国暦は、太陽の運行と月の満ち欠けの両方に基づく太陰太陽暦です。干支と呼ばれる12年の周期があり、各年が十二支の動物(子・丑・寅など)に関連付けられていることで広く知られています。現在でも中国や台湾、ベトナムなどでは、旧正月をはじめとする伝統的な祝日の日程を決める際に用いられています。
太陰暦:月の満ち欠けに基づく暦
イスラム暦(ヒジュラ暦)
イスラム暦は、月の満ち欠けのみに基づく純粋な太陰暦です。12か月から構成され、各月は新月の日から始まります。1年は約354日と太陽暦より11日ほど短いため、季節との対応は毎年少しずつ移動します。世界中の多くのイスラム圏諸国で、断食月(ラマダン)などの宗教行事の日程決定に使用されています。
ヘブライ暦(ユダヤ暦)
ヘブライ暦は、太陽と月の両方の運行に基づく太陰太陽暦です。19年をひとつの周期とし、平年は12か月、うるう年には13か月目が挿入される仕組みになっています。イスラエルおよび世界各地のユダヤ人コミュニティで、過越の祭りなどの宗教的な祝祭日の決定に使用されています。
その他の特徴的な暦
マヤ暦
マヤ暦は、コロンブス到来以前の中米メソアメリカにおいて、マヤ文明が使用していた非常に複雑な暦体系です。太陽・月・金星の周期を組み合わせたもので、「ツォルキン」と呼ばれる260日の儀礼暦と、「ハアブ」と呼ばれる365日の太陽暦を組み合わせて用いる独特の構造を持っています。
アステカ暦
アステカ暦もまた、コロンブス到来以前の中米メソアメリカのアステカ文明で使用されていた複雑な暦です。太陽・月・農耕の周期を組み合わせており、マヤ暦と同様に365日の太陽暦と260日の儀礼暦を併用する仕組みが採られていました。石造りの「アステカ暦の石」はその象徴として有名です。
まとめ
暦の種類は、太陽・月・惑星など何を基準とするかによって大きく異なります。現代の国際標準であるグレゴリオ暦をはじめ、宗教や文化と深く結びついたイスラム暦やヘブライ暦、古代文明の知恵が詰まったマヤ暦やアステカ暦まで、それぞれの暦にはその土地の歴史と文化が反映されています。暦を知ることは、世界各国の文化への理解を深める第一歩と言えるでしょう。