歴史クイズ

囲い込み(エンクロージャー)とイギリス産業革命|演習問題と解説付き

はじめに

イギリスで産業革命が起こった背景には、囲い込み運動(エンクロージャー)による農村構造の大きな変化がありました。このページでは、囲い込みと産業革命の関係について理解を深められる選択式の演習問題を4問用意し、それぞれに解答と詳しい解説を掲載しています。試験対策や復習にぜひご活用ください。

問題1

イギリス(他国ではなく)で産業革命が起こるためには、政治・経済・社会における多くの要因が重なる必要がありました。その要因として挙げられるのは、次のうちどれでしょうか。

a) 農地の囲い込み(エンクロージャー)と、農民の都市部への大量移住
b) 農業の機械化と、農民が出身地の土地にとどまり続けたこと
c) イングランド農村における生産手段の社会化
d) イギリス議会制の崩壊
e) 都市労働者の農村部への大量移住

問題2

(Cesgranrio)19世紀前半のイングランドにおける工業化プロセスの定着として、正しく関連づけられるのは次のうちどれか。

a) 農地囲い込み(「エンクロージャーズ」)プロセスの消滅
b) 自由主義思想の優位
c) 職人ギルド(同業組合)による生産の強化
d) 金融資本・寡占型資本主義の出現
e) 熟練労働力の都市から農村への流出

問題3

以下の文章を読んでください。

「1710年、イングランド議会によって公布された囲い込み法は、国家が農村にもたらした排除の最初の形態の一つとして確立された。小作地で暮らしていた農民たちは、領主の土地でわずかな賃金で働くか、都市へ移住するかを余儀なくされた。」(OLIVEIRA, Renata Sibéria de; SANTOS, Josefa de Lisboa.『国家の本質から供給者国家の地位へ:ブラジルにおける農業空間再生産の論理』GEONORDESTE誌、サン・クリストヴァン(SE)、第XXII巻第1号、193頁)

上記の文章の情報に基づき、18世紀初頭のイングランドにおける囲い込み法の公布について言えることとして正しいものを選んでください。

a) 貧しい農民による土地購入を可能にした
b) 農民に都市部への移住を促し、そこで工業が発展した
c) 工業の発展を不可能にした
d) 都市に住む人々を農村へ引きつけた
e) イングランド議会に対する国民の信頼を失墜させた

問題4

囲い込み法は農地の農業生産性を高めました。この要因が決定的に貢献したのは、次のうちどれでしょうか。

a) ヨーロッパ全土の食糧不足
b) 都市における労働力不足
c) 食料過剰生産の危機
d) 都市人口への食料供給
e) 穀物流通の不可能化

解答と解説

問題1:正解 A

イングランドにおける囲い込み法の影響の一つは、大量の農民が工業中心地へ移動したことでした。これにより、のちにイングランドの労働者階級を形成することになる人々の集団が生まれ、工業の発展にとって決定的な要素となりました。

問題2:正解 B

産業革命がもたらした技術変革の進展に伴い、資本主義体制には理論的な正当化が必要となりました。近代経済学の誕生、そしてそれとともに自由主義の誕生は、工業化の到来を理解し、正当化するための理論的基盤となったのです。

問題3:正解 B

囲い込みはイングランドの農村からの人口流出(農村離れ)に大きく寄与しました。財産や富の少ない人々は、農村で自らの営みを維持し、大土地所有者が進める農業の近代化と競争することができなくなったためです。

問題4:正解 D

囲い込み法によって可能となったイングランドの農業近代化は、穀物やその他の生産物の大幅な増産をもたらしました。この生産拡大は、急速に成長する都市人口(特に工業地域)の食料需要を満たすうえで決定的な役割を果たしました。