英語では、イエス・キリストの誕生を基準として時代を区切る際に、「BC(Before Christ)=紀元前」と「AD(Anno Domini)=紀元後」という略語が使われます。また近年では、宗教的な色合いを抑えた「BCE(Before Common Era)/ CE(Common Era)」という表現も広く普及しています。
ギリシャ語での対応する表現
ギリシャ語には「BC」「AD」という略語そのものは存在しませんが、それらに相当する表現が古くから定着しており、ギリシャ語の文献や歴史に関する議論で日常的に用いられています。
- Π.Χ.(Πρό Χριστού / プロ・フリストゥ)=「キリスト以前」→ 紀元前に相当
- Μ.Χ.(Μετά Χριστόν / メタ・フリストン)=「キリスト以降」→ 紀元後に相当
それぞれの意味と使われ方
「Π.Χ.」は文字通りには「キリストの(時代)以前」を意味し、英語のBCに相当します。一方、「Μ.Χ.」は「キリスト以降」を意味し、ADに対応します。
例えば、ユリウス・カエサルが暗殺された西暦前44年はギリシャ語で「44 π.Χ.」と表記されます。このように、Π.Χ. と Μ.Χ. はギリシャの歴史書、考古学の研究論文、宗教関連の文書など、幅広い分野で標準的に使用されている表記です。
まとめ
英語圏のBC・ADに対して、ギリシャ語では「Π.Χ.(Πρό Χριστού)」と「Μ.Χ.(Μετά Χριστόν)」が対応する略語として使われています。ギリシャ語の資料を読む際には、この2つの表記を覚えておくと年代の理解が格段にスムーズになります。