立法府とは何か
アメリカ合衆国の連邦政府は、行政府、司法府、そして立法府という三つの主要な部門から構成されています。このうち立法府は、法律を制定するとともに、他の二つの部門を監督・抑制する役割を担う、極めて重要な存在です。
立法府を支える二院制
立法府は「上院(Senate)」と「下院(House of Representatives)」の二つの議院で構成される二院制を採用しています。上院議員の任期は6年、下院議員の任期は2年です。各州は人口の大小にかかわらず必ず2名の上院議員を選出しますが、下院議員の数は州ごとの人口に応じて配分される点が大きな特徴です。
法案が法律になるまでの流れ
立法プロセスは、上院または下院のいずれかに法案が提出されることから始まります。法案が法律となるためには、両議院がまったく同じ内容で可決しなければなりません。両院を通過した法案は大統領に送付され、署名されれば正式に法律として成立します。
仮に大統領が拒否権(ヴェト)を行使した場合でも、法案は無効にはなりません。上院と下院の双方で3分の2以上の賛成票により拒否を覆すことができれば、法律として成立します。
弾劾制度という強力な権限
立法府には、反逆罪や収賄罪、その他重大な犯罪・不祥事を理由に、大統領、副大統領、あるいはその他の連邦公務員を弾劾する権限も与えられています。弾劾とは、公職者をその職から解任するための手続きです。
手続きはまず下院の弾劾決議から始まり、過半数の賛成によって弾劾訴追が成立します。弾劾された公務員は次に上院で審理を受け、上院議員の3分の2以上が有罪と判断した場合、その職を罷免されることになります。
まとめ
立法府は、法律の制定、行政府・司法府への監視、そして国民の権利の保護という重要な役割を担う、アメリカ政治の中核的な機関です。三権分立による権力の均衡を維持するうえで、欠かすことのできない存在と言えるでしょう。