第二次世界大戦のヨーロッパ戦線が幕を閉じたとき、ウィンストン・チャーチルは「戦争終結の瞬間」に合わせて放送を行ったわけではありません。彼が行った最初のヨーロッパ戦勝記念日(V-Eデー)の演説は、1945年5月8日午後3時のラジオ放送でした。
歴史的なラジオ演説の内容
この放送の中でチャーチルは、同日未明にドイツ軍が無条件降伏文書に調印したことを国民に告げました。そして、次のように述べています。
「親愛なる皆さん、これはあなた方の時です。これは一党や一階級の勝利ではなく、偉大なイギリス国民全体の勝利です」
さらに彼は、「喜びのひとときを過ごすことは許されるが、この先にある労苦と努力を忘れてはならない」と語り、太平洋地域では日本との戦争が依然として続いている事実を国民に強く意識させました。
放送後の祝賀と有名な逸話
ラジオ演説の後、チャーチルはロンドンのホワイトホールにある保健省のバルコニーから集まった群衆に向かって「これはあなた方の勝利だ」と呼びかけました。これに対して群衆が「いいえ、あなた様の勝利です」と答え返したという逸話は、今日まで語り継がれています。
こうした一連の出来事により、チャーチルの1945年5月8日の演説は、イギリス史上最も記憶に残る戦時中のスピーチの一つとなりました。