デイヴィッド・ファラガット(David Farragut、1801年〜1870年)は、アメリカ合衆国の歴史において初めて「提督(アドミラル)」の階級に就いた海軍士官として知られる人物です。南北戦争での華々しい戦果により、アメリカ海軍の歴史に確固たる名を刻みました。
米海軍初の提督となった男
ファラガットは1801年7月5日、テネシー州ノックスビル近郊に生まれました。わずか9歳で海軍に入り、少年時代から艦上での経験を積んだ生粋の海軍人でした。60年以上に及ぶ海軍生活の中で、卓越した指揮官として頭角を現していきます。
1862年・ニューオーリンズの戦い
1862年、南北戦争の最中、ファラガットは艦隊を率いてミシシッピ川を遡上し、南軍が守る要塞線を突破。同年4月にはニューオーリンズを占領するという大勝利を収めました。この戦いは南北戦争全体の大きな転換点となり、北軍にとってミシシッピ川流域制圧へ向けた重要な足がかりとなりました。
この功績により、ファラガットは少将(Rear Admiral)に任官されます。これはアメリカ海軍史上初めてこの階級が授けられたものであり、彼は同海軍でこの位階を持った最初の士官となりました。
その後の栄達と有名な名言
1864年のモービル湾の海戦では、「魚雷(機雷)を恐れるな、全速前進せよ(Damn the torpedoes, full speed ahead!)」という有名な言葉を残して勝利を収め、戦功により中将に昇進します。さらに戦後の1866年には、これもまたアメリカ海軍初となる大将(Full Admiral)に任じられました。
ファラガットの生涯は、勇気と決断力に満ちたリーダーシップの模範として、今日でもアメリカ海軍の伝統と精神を象徴する存在として高く評価されています。