現在「イラク」と呼ばれているこの国は、かつてメソポタミア(Mesopotamia)と呼ばれていた地域です。メソポタミアとは、ギリシャ語で「川の間(の土地)」を意味する言葉で、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域を指します。
世界最古の文明が育った大地
メソポタミアは人類最古級の文明発祥地として知られ、紀元前3500年頃にはすでに高度な都市文明が栄えていました。肥沃な大地は「文明のゆりかご」とも称され、以下のような偉大な文明が次々と興亡を繰り返してきました。
- シュメール文明 — 世界最古の文字「楔形文字(くさびがたもじ)」を生み出した文明
- アッカド帝国 — サルゴン王が初めて広域を統一した帝国
- バビロニア王国 — ハンムラビ法典で有名な古代大国
- アッシリア帝国 — 強大な軍事力で西アジアを支配した帝国
「イラク」という名前の由来
「イラク」という国名自体の歴史は比較的新しく、この名称が広く使われるようになったのは20世紀に入ってからです。1921年にイギリスの委任統治下でイラク王国が成立し、1932年の独立を経て、1958年の共和制移行をへて現在のイラク共和国となりました。
つまり、イラクという国名は政治的な区分として近年定着したものですが、その大地に刻まれた歴史は数千年におよびます。バグダッドやバビロンなど、今も残る遺跡や都市には、古代メソポタミアの栄華を物語る豊かな遺産が息づいています。