トマス・ペイン(Thomas Paine)の著作『ザ・クライシス(The American Crisis)』は、1776年に発刊されたパンフレットシリーズで、アメリカ独立戦争の最中に書かれました。その力強い言葉の数々は、当時の兵士や市民を勇気づけただけでなく、今日でも多くの人々の心を打つ格言として語り継がれています。
「これは人間の魂を試す時代である」
最も有名な一節が、冒頭に置かれた次の言葉です。
「These are the times that try men's souls.(これは人間の魂を試す時代である)」
この言葉は、困難な状況こそが人の本質を映し出すという普遍的な真理を伝えており、危機の時代における決意を促すものとして広く引用され続けています。
夏の兵士と晴れの日だけの愛国者
続く一節では、順境にあるときだけ尽くす人々への批判と、苦難に耐える者への賛辞が描かれています。
「夏の兵士、そして晴れの日だけの愛国者は、この危機において祖国への奉仕から退くであろう。しかし今これに耐え抜く者こそ、男女すべての人々の愛と感謝に値する。」
専制は地獄のごとく容易には征服できない
圧政に対する抵抗の正当性を説いた有名な一節です。
「専制は、地獄のごとく、容易には征服できない。しかしなお私たちにはこの慰めがある――闘いが厳しければ厳しいほど、勝利はいっそう栄光に満ちたものとなるのだと。」
この中の一節「The harder the conflict, the more glorious the triumph.(闘いが厳しいほど、勝利はより栄光に満ちる)」は、単独でも格言として頻繁に引用される名句となっています。
安易に得たものは軽んじられる
物事の価値について考察した哲学的な一節も印象的です。
「あまりにも安易に手に入れたものは、私たちは軽んじてしまう。物事に真の価値を与えるのは、その高価さのみなのである。」
まとめ
『ザ・クライシス』の格言は、逆境に立ち向かう勇気、粘り強さの尊さ、そして努力によってこそ勝利の輝きが増すというメッセージに貫かれています。250年近く経った今なお読み継がれるのは、これらの言葉が時代を超えた普遍性を持っている証拠といえるでしょう。