古いアメリカの10ドル紙幣、特に1914年に発行されたものを見ると、「E」という文字や「5」という数字が印刷されていることに気づく方が多いでしょう。実はこの表記には明確な意味があり、紙幣がどの地域で発行されたのかを示す重要な情報なのです。
「E」はリッチモンド連邦準備銀行を意味する
10ドル紙幣に印された文字「E」は、その紙幣を発行した連邦準備制度地区(Federal Reserve District)を示しています。1914年製の10ドル紙幣に「E」がある場合、それはバージニア州リッチモンド(Richmond)連邦準備銀行によって発行されたことを意味します。
なぜ「5E」と表記されるのか
アメリカの連邦準備制度は12の地区に分かれており、各地区にはアルファベットAからLまでの文字と、1から12までの番号が割り当てられています。
- A(1)= ボストン
- B(2)= ニューヨーク
- C(3)= フィラデルフィア
- D(4)= クリーブランド
- E(5)= リッチモンド
- F(6)= アトランタ
- G(7)= シカゴ
- H(8)= セントルイス
- I(9)= ミネアポリス
- J(10)= カンザスシティ
- K(11)= ダラス
- L(12)= サンフランシスコ
リッチモンドは5番目の地区であるため、紙幣上では数字の「5」とアルファベットの「E」が組み合わせて表示されます。これが「5E」表記の正体です。
1914年シリーズの歴史的背景
1914年シリーズの紙幣は、1913年の連邦準備法(Federal Reserve Act)成立後に初めて発行された大型サイズの連邦準備券です。当時はまだ中央銀行システムが始まったばかりで、各地の連邦準備銀行がそれぞれ紙幣を発行していました。そのため、どの地区の銀行が発行したかを識別するために、このような文字と番号の組み合わせが用いられたのです。
収集家にとっての価値
現在、1914年の10ドル紙幣は骨董的な価値が高く、コレクターの間で人気があります。特に発行地区や署名者の組み合わせ、保存状態によって評価額が大きく変動します。「5E」つまりリッチモンド発行の紙幣も、状態次第では高値で取引されることがあります。
お手元に古い10ドル紙幣をお持ちの方は、ぜひ左側や右側に印刷された文字と番号を確認してみてください。そこから、その紙幣が100年以上前のアメリカ経済の歴史の一部であることが分かるでしょう。