政治学者ジョン・P・ローシュ(Jonh P. Roche)によれば、合衆国憲法を起草した主な動機は、多数派の意思を統制し、抑制することにありました。
多数者の専制からの保護
ローシュは、憲法が「多数者による専制」を防ぎ、少数者の権利を保護するために設計されたと主張しました。民主的な多数決原理には、特定の勢力が一時的に多数を占めることで他者の権利を侵害する危険性が常に伴います。憲法の起草者たちは、この危険性を深く理解していたとされます。
チェック・アンド・バランスの仕組み
さらに彼は、建国の父たちがいずれかの集団や勢力が過度に強大な権力を握ることを防ぐため、チェック・アンド・バランス(抑制と均衡)の制度を意図的に組み込んだと考えました。三権分立をはじめとする権力分散の構造は、まさにこの狙いを体現するものです。
このようにローシュの見解では、憲法は単なる統治の枠組みではなく、多数決の暴走から自由と権利を守るための精巧な防護装置だったといえます。