1900年代初頭のアメリカの教育制度は、現在とは大きく異なるものでした。ここでは、当時の学校に関する興味深い事実を分野別にご紹介します。
初等・中等教育の様子
- 1900年代初頭には、18歳未満のアメリカの子どもの半数以上が学校に通っており、19世紀と比べて大幅な増加を遂げていました。
- 学校の多くは「一教室学校(ワンルーム・スクールハウス)」と呼ばれる形式で、年齢も学年も異なる子どもたちが同じ部屋で、たった一人の教師から教えを受けていました。
- カリキュラムは、読み・書き・算数・地理・歴史といった基礎科目が中心でした。
高校教育の普及状況
- 公立高校はこの時期に徐々に普及しつつありましたが、特に農村部では高校に通うことすらできない生徒が多く存在しました。
- 高校教育は特権階級のための「贅沢」と見なされることが多く、義務教育ではありませんでした。
- その一方で、高校では小学校より幅広い科目が用意され、理科、外国語、社会科などを学ぶことができました。
教師の待遇と養成
- 当時の教師は賃金が非常に低く、受けることのできる研修もごくわずかでした。
- 多くの教師は、高校を卒業したばかりか、短期間の教員養成プログラムを修了しただけで、いきなり教室に立っていたのです。
人種隔離(セグリゲーション)の問題
- 南部諸州では人種隔離が横行しており、白人の生徒と黒人の生徒のために別々の学校が設けられていました。
- この差別的な制度は、1954年の「ブラウン対教育委員会裁判(Brown v. Board of Education)」という歴史的な連邦最高裁判決によって、学校における人種隔離が違憲と宣言されるまで長く続きました。
高等教育の実態
- 大学進学はごく限られた層のもので、実際に進学できたのは人口のごく一部だけでした。
- 大学は主にエリート階級のための場であり、カリキュラムも古典教育に重点が置かれていました。
- しかし1800年代後半から1900年代初頭にかけて、女性や農業者にも高等教育の門戸を開こうとする動きが起こり、女子大学や農業大学が次々と設立されました。
このように、1900年代のアメリカの学校は、現代の教育制度の基礎が形づくられつつある一方で、格差や差別といった大きな課題を抱えた時代でもありました。