1943年の小麦ペニーは「銀貨」ではない
「1943年の小麦ペニー(ホイート・セント)は銀で作られているのでは?」と思う人は少なくありません。しかし結論から言えば、このコインに銀は一切含まれていません。そもそもアメリカの1セント硬貨(ペニー)に銀が使われたことは歴史上一度もなく、1943年にサンフランシスコ造幣局で鋳造された「1943-S」も例外ではありません。
では、1943年のペニーは何でできているのか。答えは亜鉛メッキを施した鋼鉄(スチール)です。第二次世界大戦中、銅は弾薬や軍用機の製造に欠かせない戦略物資だったため、造幣局は1943年のみペニーの素材を銅から鋼鉄へ変更しました。これが「スチール・セント」と呼ばれる理由です。
流通品の価値はわずか3〜5セント
普段の小銭として使われていたような流通品の1943-Sスチール・セントの価値は、わずか3〜5セント程度です。1943年にはサンフランシスコ造ランシスコ造幣局だけで約1億9,000万枚が鋳造されており、現存数が非常に多いため、コレクター市場でも高値は付きません。
ハイグレード品なら約75ドルになることも
一方、保存状態の良いコインにはプレミアムが付きます。PCGSやNGCといった専門鑑定機関でMS-65グレードと認定された、傷や変色のない美しい未流通品であれば、価値は約75ドル前後まで上がることもあります。スチール・セントは錆や腐食が発生しやすい素材のため、コンディションの良い個体は特に珍重されます。
磁石で簡単チェック&レアな銅貨にも注意
手持ちの1943年ペニーがスチール製かどうかは、磁石で簡単に見分けられます。磁石にくっつけば本物のスチール・セント、くっつかなければ銅製である可能性があります。
実は、1943年にごく少数だけ誤って銅で鋳造された「1943ブロンズ・セント」は、数十万ドル規模の超レアコインとして知られています。ただし、安価なスチール貨に銅メッキを施した偽物も大量に出回っているため、色味だけで判断するのは危険です。価値がありそうだと感じたら、必ず第三者鑑定機関に相談しましょう。