1983年前後で何が変わったのか
アメリカの1セント硬貨(通称ペニー)は、長い間、銅を主成分としたコインでした。しかし1980年代前半の銅価格の高騰により、製造コストが額面を上回る事態に陥ったため、素材の見直しが行われました。この切り替えは実際には1982年の途中から段階的に進んだため、1983年以降に発行されたペニーはすべて新しい素材構成になっています。
1983年以前のペニー:約95%が銅
1983年以前に鋳造されたペニーは、全体の95%が銅、残り5%が亜鉛という配合でした。1枚の重量は約3.11グラムあるため、銅の含有量は1枚あたりおよそ2.95グラムにもなります。
1984年以降のペニー:銅はわずか2.5%
一方、1982年後半以降に作られたペニーは、中心部が97.5%の亜鉛でできており、表面に2.5%の銅が薄くメッキされているだけです。重量も約2.50グラムに軽量化され、実際に含まれる銅は1枚あたりわずか約0.06グラム。旧タイプの50分の1以下にまで減少しました。
スペック比較一覧
| 1983年以前 | 1984年以降 | |
|---|---|---|
| 素材配合 | 銅95%・亜鉛5% | 亜鉛97.5%・銅2.5% |
| 重量 | 約3.11g | 約2.50g |
| 銅の含有量 | 約2.95g | 約0.06g |
まとめ:銅の量は約50倍の差
見た目はほぼ同じでも、中身はまったくの別物です。古いペニーは銅地金としての価値が額面を上回ることもあり、金属価格の高騰時にはコイン収集家やスクラップ業者から注目を集めます。ただし、アメリカでは通貨の故意の破壊や溶かし込みが法律で制限されているため、実際に地金として処分するのは困難である点にも注意が必要です。