歴史クイズ

人種プロファイリングをめぐる課題――国際機関が指摘した困難とは

直面した困難

人種プロファイリングに関わる深刻な問題は、これまで複数の国際機関によって指摘されてきました。特に、以下の機関がその困難に直面し、対応を求める見解や判断を示しています。

1. 欧州人権裁判所(ECtHR)

欧州人権裁判所は、一連の判決の中で人種プロファイリングに起因する人権侵害の問題を取り上げてきました。主な判決としては、以下が挙げられます。

  • 2006年11月7日付の判決(関連事例として、2016年6月23日判決の「バカ対ハンガリー事件」[8]も参照)
  • 2012年2月8日付の判決(G.およびF.対イタリア)
  • 2013年4月4日付の判決(M.K.ほか対ポーランド)
  • 2014年9月3日付の判決(M.A.B.対ギリシャ)

2. 国連人種差別撤廃委員会(CERD)

国連人種差別撤廃委員会は、第51会期において、「人種プロファイリングの防止に関する一般的勧告第35号」を採択しました[9]。この勧告は、各国政府に対し、民族や出自に基づく恣意的な捜査・取締りを防止するための具体的な措置を求めるものです。

3. ヴェネツィア委員会

欧州評議会諮問機関の補助機関であるヴェネツィア委員会も、報告書「人種プロファイリングに関する各国の法制と実務について」(CDL-AD(2021)044 final)[10]を公表し、各国の立法状況と実際の運用における課題を詳細に分析しました。

このように、司法機関・国際監視機関・専門諮問機関のいずれのレベルにおいても、人種プロファイリングは重大な人権上の懸念として認識されており、各国に対して法制度の改善と実務の見直しが強く求められています。